スタンダード・チャータード銀行はビットコインとイーサリアムのトレーディングデスクを導入する準備を整えており、計画に詳しい情報筋によると、同行は仮想通貨の直接取引に参入することになる。この戦略的な動きにより、スタンダード・チャータード銀行はスポット仮想通貨取引サービスを顧客に直接提供する先駆的な世界的大手銀行の1つとなる。
今後開設されるトレーディングデスクは、銀行のFXトレーディング部門に統合され、ロンドンを拠点として、まもなく業務を開始する予定だ。銀行は具体的な詳細は明らかにしなかったが、情報源は情報のプライバシーを理由に匿名を希望した。ゴールドマン・サックス・グループなど、仮想通貨デリバティブを扱っている他の金融機関とは異なり、銀行はこれまで厳格な規制により、基礎となるデジタル資産の直接取引を行うことが制限されてきた。
バーゼル銀行監督委員会のガイドラインは、銀行の仮想通貨に対するヘッジされていないエクスポージャーに1,250%のリスク加重を推奨しており、これは収益性に大きな課題をもたらす。しかし、スタンダード・チャータード銀行は積極的に行動し、規制当局と協力して、機関投資家のビットコインやイーサリアム取引に対する需要の高まりに応えてきた。同銀行のデジタル資産分野への進出には、Zodia CustodyやZodia Marketsなどの仮想通貨関連企業への投資や、従来型資産のトークン化を促進することを目的としたブロックチェーンに特化した部門Libearaの設立が含まれる。
暗号通貨市場が進化する中、スタンダード・チャータード銀行のような大手銀行によるスポット取引デスクの導入は、デジタル資産に対する機関投資家の関心の高まりを浮き彫りにしている。ビットコインの価値は最近下落しており、2024年初頭から20%以上大幅に下落しているが、今年初めに米国でビットコイン上場投資信託が成功裏に立ち上げられたことで、市場の流動性が再活性化している。
この展開により、大手金融機関の自信が高まり、デジタル資産分野への関与が深まることになった。スタンダード・チャータード銀行のスポット暗号通貨取引への参入は、サービス提供の多様化への取り組みを反映しているだけでなく、従来の金融機関がデジタル経済にますます深く関与するようになっている幅広い市場動向にも合致している。